ブログ&お知らせ

News

CHESがLiteracy「読み」「書き」にも、こだわる理由

文字の認識の始まり

CHES「プリ・クラス」は、毎朝8時からスタート。登園してきた園児は、まずネームプレートが貼られたバスケットを棚から出します。次にバックパックをおろし、Blue Hat(制帽)、水筒、お弁当、スナック、家庭との連絡用フォルダーを順次決まった場所に仕分け、最後に空になったバックパックをバスケットに入れて、棚の元の場所に戻します。

これら朝のルーティンが終わると、トイレ・チェック。通常の登園時間は9時からなので、みんなが登園してくるまでの間、しばらくは数人の園児たちが思い思いのおもちゃで遊んだりしながら自由に過ごせる穏やかな時間です。

この穏やかな時間に、最近、Yellow Kangaroo(年少学齢以下)のクラスで流行っていることがあるのです。それは「ふぁ、ふぁ、ふぁ~👉」!? 実は1歳半から2歳の園児たちがバスケットを取りに行く際、自分の名前が書かれたネームプレートを指さし、まるでアルファベットでそこに書かれている文字を読んでいるかのように、私に確認してくれるのです。

自分の持ち物を整理していく毎朝のルーティンに慣れるまで、クラス担任の先生がどのバスケットを取り出せばいいのかを指さし、ネームプレートに書かれている文字を読み上げていた動作を真似しているのでしょう。

自分の名前もまだ正確に発音できていないのに、「ふぁ、ふぁ、ふぁ~👉」なのです。しかも1文字1文字指さしながら。そして、さらに私の隣の席にちょこんと座り、なぜかエンピツやペンをとって殴り書き。私の大切な書類だったりすることも…💦 これは、いよいよ文字の認識の始まりですね。

言語の習得、「読み」「書き」「聞く」「話す」

以前、「言葉の獲得の瞬間」をBlogにUpしましたが、発語から「話す」だけではなく、言語習得には、「読み」「書き」「聞く」「話す」の4技能が必要です。

1歳未満の乳児は、目からの視覚よりも耳からの聴覚が先に発達するので、見て覚えるのではなく、聞いて覚えることから始まります。聴覚は妊娠6か月頃から発達し始め、お腹の外の音や話し声を聞けるようになります。子どもたちの能力はあなどれません😳 胎児もすでに「聞く」が始まっているのです。

日本人の大人の英語は”lace”と”race”、”she”とsee”の聞き分けがなかなかできませんが、生後10か月くらいまでの赤ちゃんは問題なく聞き分けられます。』(「ことばの発達の謎を解く」著:今井むつみ ちくまプリマ―新書24頁より)

そして1歳を過ぎて幼児期になると、徐々に見たものを「文字」と「イメージ」とに区別できるようになります。(←Yellow Kangarooの流行は、いまココ)

4技能のなかの「読み」「書き」能力のことを英語では「Literacy」と表現します。読み書きの習得時期は、母語であれば、一般的には4歳ごろから就学前、通常6歳ころまでにひらがなの読み書きができるようになると言われています。

CHESの英語環境で過ごしている園児たちも同じように英語を習得していきます。たとえば、Red Fox(年中)クラスで夏ごろに流行り出すのが、紙に英語の文字やイラストを書いて先生やお友だちに届けてくれる「お手紙ごっこ」。

このような「お手紙ごっこ」は、どこの幼稚園でも年中クラス頃から流行るようです。この時期、まさに英語・日本語にかかわらず「文字」の「読み」「書き」の習得の敏感期(臨界期)に当たるんだるろうなぁー、ということを適齢期の子どもたちに囲まれているCHESの教室でも実感することができます。

言語習得の時期、タイミング

もちろん言語習得の時期には個人差があるので、CHESでは2歳ごろの「入口」から6歳ごろまでの「出口」を注意深く見守っています。CHES「プリ・クラス」の学齢ごとの言語習得の発達段階は、おおよそ以下のように進んでいきます。

Yellow Kangaroo(年少学齢以下)

まず「入口」、Yellow Kangaroo(年少学齢以下)は、徐々に文字に興味は持ち始める時期。しかし、まだ文字を単なる記号として認識しています。

この時期は耳から「聞く」、聞いた「音」をそのままコピーする発語が中心ですが、アルファベットや数字(ABC recognition・Number recognition)の認識を少しずつ始めていきます。また、「書き」につながる「糸通し」「ねんど遊び」などの指先の練習も繰り返しています。

Blue Bird(年少学齢)

Blue Bird(年少学齢)は、文字に意味や目的があることを理解し始めます。

発音と文字の関係性を学ぶフォニックス(Phonics)、子音+母音+子音の3つのアルファベットで構成される英単語(CVC Words)を始めていきます。「読み」を意識するため、先生にはとにかく本をたくさん読み聞かせてもらっています。たとえ同じ本の繰り返しでも、まれに登場する先生アドリブのストーリー展開に園児たちは大喜び😝

Red Fox(年中学齢)

Red Fox(年中学齢)は、これまでの練習が一気に実になります。英語が伸びると日本語も伸びる、まさに言語習得の黄金期! 自分の名前など身近な単語を読んだり、文字(らしきものも😙)を書けたりできるようになってきます。

目(視覚)でみて音を丸暗記する使用頻度の高い、基本的な英単語(Sight Words)や、英語の母音・子音(vowel, consonant words)を確認していきます。ここまでできるようになると、簡単な幼児向け絵本を一人で読めます。そして「読み」ができ始めると、「書き」もでき始めます。

White Owl(年長学齢)

White Owl(年長学齢)は、これまでの課題を完成させる時期。

各家庭で経験した面白かったことや楽しかったことをクラス全員の前で毎週発表する「Show & Tell」の時間には、「話す」の2領域、「話す(やり取り)」と「話す(発表)」を経験していきます。また、 自分が経験したこと、感じたことを文章(Composition)にしていきます。卒園式では、この文章を読んで各自発表するのですが、保護者の間では、思わず涙💧、時々爆笑😍と、これまでのCHESでの生活を振り返る良い機会になっています。

「小1プロブレム」と「言語の喪失」

このように言語習得の「入口」である発達の順序をしっかり理解し敏感期をうまくキャッチすることができれば、子どもたちは言語習得、「読み」「書き」「聞く」「話す」のハードルをたやすく乗り越えることができます。本当に子どもたちの能力はあなどれません😳

しかし、逆にこの時期、6歳ごろまでの「出口」を見逃してしまうと、特に「読み」「書き」のハードルは、日本語でさえとても高い壁となって子どもの前に立ちはだかってしまいます。

最近よく耳にするのが「小1プロブレム」。保育園や幼稚園を卒園した後に、授業として初めて「読み」「書き」が登場する小学校での生活や雰囲気に馴染めず、授業中に教室内を歩き回ったり、先生の指示通りに行動できなかったりするため、正常に授業を進行できない状況があるようです。言語習得が未熟な子どものコミュニケーション能力が影響している可能性も指摘されています。

さらに第2言語である英語の場合、「出口」はさらに注意が必要です。CHESの卒園生の多くは、近隣の公立小学校に入学します。そこは100%日本語の環境。一般的に第2言語は、年齢が低い子どもほど、またその言語に触れる機会が少なければ少ないほど「喪失」が早いと言われています。

せっかく幼少期から英語で様々な事柄をCHESで学んできたにもかかわらずです。

望みは、4技能の「読み」「書き」能力が第2言語の維持に好ましいと考えられていることです。つまり、いくら幼少期に英語の「聞く」「話す」ができていても、「読み」「書き」が定着していないと、すぐに喪失、忘れていく可能性が高いのです。

CHESがLiteracy「読み」「書き」にも、こだわる理由

CHESでは(水泳教室にあるワッペンテストのような)一つの「指標」として、小学校低学年までに「3級(中学卒業レベル)」、高学年までに「準2級」、中学で「英検2級(大学受験レベル)」をあげてきました。卒園後、日本語の環境にいながら、週数回のアフター・クラスで英語を維持できるのは、卒園までに英語の4技能の習得、特にLiteracy「読み」「書き」にもこだわってきたからです。

幼児期にせっかく英語に慣れ親しんでいたのに、学齢が進むにつれて英語を忘れてしまうのは、あまりにももったいないです。しかも「喪失」で済むわけではありません。中学、高校と進むにしたがって「英語」は必須科目。数学と並ぶ最重要科目にもかかわらず、一度喪失した英語に対して苦手意識を持ってしまい、全般的な学習意欲、自己肯定感の低下にもつながる可能性さえあります。

「小1プロブレム」や「第2言語の喪失」を避けるためにも、一般的な発達の順序や学齢の目安をご家庭と共有できればありがたいです。特に幼児期の発達の時期は、個人差が大きく、発達も直線ではなく階段状に進んでいきます。少しぐらいゆっくりでも焦らず、お子さまのペースを一緒に見守っていきましょう。

赤ちゃんがハイハイもつかまり立ちもせず、いきなり立って歩き出すことがないのと同じように、発達の段階はおおむねみんな同じ順序です。しっかり見守りながら適切な環境を整えてあげることが一番大切だと考えています。

就学前までは、成長過程のなかでおそらく発達の変化が一番激しい時期。この時期にしか起こりえない、微笑ましい奇跡を見逃さないように、先生と共にご家庭でも、心と目を離さないで楽しんでいただけると、きっとCHESの子どもたちは「私、英語できるもん♪」という自己肯定感を糧に、将来にわたって学習意欲も維持し続けてくれると信じています。

International Preschool CHES
Deputy head teacher
幼稚園教諭一種免許/保育士資格
Elementary School English Teaching License
Masami Morimoto


関連記事

👉 英語教育は、何歳から始めるのがいいの?

👉 2020年の教育改革からすでに2年が経過。ご存じでしたか?

👉 CHES英検(Writing)対策

👉 CHES Friends 2022年 第3回 英検 結果報告

👉 CHES Friendsの英検の結果報告です。


CHESでは、まだ幼いお子さんが無理なく教室になじめるように一斉入園ではなく、1歳半ごろからのお子さんの新入園児を随時、募集しています。

小学生になる前の貴重な時間をお子さんの将来にむけてしっかり活かしてあげたいとお考えのパパ・ママは、ぜひ一度、無料の「トライアル(体験)」にお越しください。申し込み方法はかんたんです。

こちら→「資料請求ページ」から、いますぐお申込みください。資料を送付させていただきますので、施設見学をかねて、お子さんと一緒にお気軽にご参加ください。CHESの教室でお会いできるのを楽しみにお待ちしています。

インターナショナル・プリスクールCHESの詳細は、こちらから

Google Business Profileは、こちらから